非国民なことに、イラン戦ではなく「ピンポン」観戦

松本大洋原作、宮藤官九郎脚本、窪塚洋介主演の「ピンポン」。
私は元卓球部員ではなく、松本大洋万歳なわけではなく、かと言ってクドカンマニアでもなく、さらに言ってしまうと大麻親善大使のファンでもないのだが、ふとした時に見たくなる、大好きな映画のひとつ。

何をやっても空回り、気分がへたっている時、TUTAYAの在庫処分セールにて300円でゲットしたビデオについつい手が伸びる。

そして115分後。「私も頑張る!!I can fly〜〜!!」と。もちろんその時、左手を腰に当て、右手の拳は高々と上に。ベランダから飛び降りないように注意しつつ、充電完了。

夢、友情、努力、弱さ、こう書くと、「いかにも」という感じの要素が分かりやすい図式で配置されていて、最後には主人公ペコがヒーローになって終わるというストーリー。
疲れた頭と心にしっくりくる。

人は、自分自身で描いている自己イメージと、他人から抱かれるイメージの間で生きている。理想の自分像を思い描きながら、同時に、他人の目に映る自分や、相手から求められている役を意識して生きる。セルフプロデュースが上手い人というのは、そのバランス感覚がいい人だ。
ペコがヒーローになるまでの、そのあたりの経緯が一番おもしろい。