コタツ布団捨てなきゃ良かった

群馬の休日は、若人を迷わす。何処に行くべきか、何をすべきか、いつまでたっても決まらない。もちろん、選択肢が多すぎて決められないのではなく、することがないのである。しぶしぶ、映画でも観ましょうか、ということになる。そんなわけで、二ヶ月ぶりに再会した友人二人と、暗黙の了解で109(通称「マルキュー」の映画館@高崎)に向かった。「いま、会いにゆきます」は、例え鑑賞料金300円ですと言われても見る気がしないし、かと言ってCMで見るかぎりにおいて、「いやいや、今の世の中そんな状況ありえないだろ」と疑いを抱かずにはいられない「ターミナル」もどうかと思い、「Mr.インクレディブル」を鑑賞。
そこで、ひとこと。

ピクサー様、ディズニー様、ならびにウォルト様。今までの大変失礼な発言をお許し下さい。許さないとおっしゃるのなら、せめて尊敬の念を表明させて下さい。あなた方の作品は、決して対象年齢12歳以下でも、「愛・夢・勇気・希望」といったお決まりのスローガンを振りかざす単純なアニメーションでもありません。小技と辛味が効いたエンターテインメントでした。遅らばせながら、年末年始にかけまして、しこしこと全作品を拝見させて頂く所存であります。

私がこの映画に惹かれたのは、インクレディブル一家がそろいもそろって社会不適応者だからだと思う。森を見て、木を見ないタイプの父、Mr.インクレディブル。のっけから、やってくれます。木から下りられなくなってしまった猫を助けようと、木を根こそぎもぎ取る。登って助けようなんて考えは毛頭ない。ごっそ〜り抜き取る。そりゃ猫が助かって老人は大喜びですよ、感謝の嵐ですよ。んでもね、あんたその木はどうなのさ。必死に光合成して、へんな青いむしに這われながら細々生きてる命を奪うんかい!!冒頭5分で早くも彼の虜になったね。その血筋をしっかり受け継いだ娘ヴァイオレットと、息子ダッシュもいい味だしてます。なんと言っても、悪党倒した後の彼女らの変貌ぶりが見もの。妙に自信たっぷりになっちゃって、高飛車。男の子を体よくあしらってみたり、俊足を鼻にかけて徒競走で手抜きしてみたりと、さすがのひねくれぶり。最後の最後まで好感度大です。大体の場合に置いて、ヒーロー/ヒロインは完全無敵の完璧人間だ。仮面ライダーブレイド、あんなジャニ顔が左フック。チャーリーズエンジェル、あんな小じゃれたレディがハイキック。根暗な私としては、そんな恵まれた彼彼女に助けられても、あぁあなたはすごいんですねとしか言えない。陰があってこそ、陽がひきたつ、または、不完全だからこそ魅力的ってもんです人間は。