偶然なのに必然

車検が2月13日で切れます。そのことに気がついたのはほんの10日前。いかに私がクルマに関心がないかを、分かっていただけるでしょう。愛車のヴィヴィ夫くんは左肩を骨折中。買った直後、門柱に激突。ぽっかりとへこみ、色が削がれた状態で彼は2年間を過ごしました。んでもって最近では右目を失明。光を放つことがないまま、時には警察に注意をうけながらも細々生きています。もはや生きる屍。
ヴィヴィ夫を病院へ連れて行ってドックを受けさせるか、それともご新規様に乗り換えるか考え抜いたあげく、車屋へひやかしに行ったのです。足を踏み入れた瞬間、あ、間違えたと。パジェロやらX−TRAILやらがわんさか。おいおい、よく看板見ればSUV RV専門店ってでかでかと書いてありますわね。非アウトドアな私にはまったくもって用が無いところです。さ、帰りますかねと踵を返したら、タイミングよく店員さん登場。
「オープン記念の粗品です。良かったらどうぞ!あ、特に深い意味はありませんから」。特に深い意味はありませんからって、おもいっきり意味深なんですけども。そしてその「あ、」も、取って付けた感が否めません。日曜の昼間、客は私とツレの二人だけ。気を抜いたら上手く営業される・・・、そんな気配に満ち満ちた空間での一言だけに、妙に身構えさせられました。
人の言葉というのは、表面からでは読み取れない裏の意味、真意があるものです。もちろん私もそろそろいい年なので、そのへんの大人の事情はよく分かっているつもりではあります。ですが、露骨に真意が見えてしまうことは逆効果であり、むしろ直球で言った方が良いのではないかと思わせます。
「いつもキレイにお使い頂きありがとうございます」。赤看板系居酒屋のトイレでよく見かけるあの張り紙です。ほろ酔いの時であれば、「そうかそうか、キレイに使いますよ」と素直に受け止められますが、ほろ酔い通り越して本気でやばい時、本気で体内ボルケーノが爆発しそうな時にあれを見ると、かけてやろうかと思うほど苛立ってしまいます。そんなことってありませんか??